コミュニティとビジネスのお話

オープンソースのコミュニティに属して、勉強会開催したり参加したりしているわけなのですが、コミュニティとビジネスの関係を自分なりに線を引いておこうと思う。

目次

コミュニティとは

この記事でいうところのコミュニティとは、「ひとつのプロダクトに対して関心のある人の集まり」というゆるい感じで考える。
オープンソースのソフトウェアだけじゃなく、有料の製品・サービス、ゲーム、特定の人物など、プロダクトに当てはまるものは様々あるわけだ。

この記事では基本的にオープンなプロダクトに関してのコミュニティであると考えて貰えれば問題ない。
通常はただのオフ会のような集まりでしか無いのだが、オープンソースやサービスのコミュニティはビジネスとも密接に関係している。

それがいいとか悪いとかそういう話ではなく、そういう関係にあるということなのだ。
なお、コミュニティビジネスはまた別のものなので、ここでは割愛。

コミュニティとお金

コミュニティ活動するにもお金は必要なわけだ。小さい規模のうちはいわゆるオフ会のような感じでそれぞれが自分のお金で楽しむだけなのだが、規模が大きくなってきたりおおきなことをやろうとしたりすると話が変わってくる。
集める場所を確保するのにもお金がかかり、人的リソースや設備などを揃えるにもお金がかかる場合がある。

とはいえ、参加者にものを売るわけではなく、会場代のみ支払いみたいな感じで落ち着くのである。
ちなみに事前告知なくものを売り出したら、それは危ない場所なので直ちに出て行く事をおすすめする。

しかも、こわいことに会場代は参加者にのみ請求することになるため、参加者が予想よりも大きく下回ってしまった場合、運営側が補填しなければならないのだ。
これがコミュニティの泣き所で、思うような活動ができないことも多かったりする。

基本的にコミュニティイベントや勉強会はペイするのがやっとだと考えたほうがいい。
だから開催側は一様に「キャンセルは早めに」とかいうのである。

みんな結構カツカツでやってるのだ。

なぜイベントや勉強会をやるのか

「やりたいから」これに尽きる。
やりたいと思わないと絶対にできない。お金かかるし、時間も労力も持って行かれる。
何故やりたいと思うかというと、「利益」を享受できるからだ。

その利益は直接的な金銭のやり取りではない。「知識」だったり「経験」だったり「楽しい」だったり「面白い」だったりするわけだ。
もちろん仕事にそのまま繋がることもなくはないが、そんなに多くはない。

それでも自分の「利益」になると信じているのだ。
しかも、これは自分だけの「利益」ではなく、参加している人全てにその人なりの「利益」を享受してほしいと思っているのだ。

これが開催のモチベーションとなる。
逆に言ってしまえば、「利益」にならないものは開催するモチベーションがどんどん下がっていくのである。

コミュニティとビジネスについて

オープンソースの活動を支援している企業がある。
これはその活動が自社の利益に繋がると考えているからできることであって、伊達や酔狂でやっているわけではないのである。
実際、コミュニティに支援することで、プロダクトの最新情報や注意すべきこと技術的なTipsなどが手に入りやすい状況を作ることができる。これは企業として大きな利益だと言える。

また、コミュニティ発の企業やサービスも出てきている。
同じプロダクトに関心が高い人が集まるのだから、そこで意気投合して起業するなんていう例も少なくはない。

ただ、注意したいのはこのことを食い物にして私腹を肥やすだけのことを考える輩もいるということだ。
ハッカソンやプログラム大会みたいなところにはそういう輩が出やすい傾向にあるかと思う。

まとめ

コミュニティとビジネスは切り離してはいけない関係にあり、参加者・運営者のモチベーションにも繋がる重要なファクターである。
コミュニティのイベントで直接お金を儲けようとするのはナンセンスだが、そこからなにか新しい価値を生み出そうとするのは素晴らしいことだと思う。

日本の企業はオープンソースに限らずコミュニティへの理解度が著しく低い。そのプロダクトを利用してお金を儲けているにもかかわらずだ。
古い考えの経営者には感覚的によくわからないのだろうが、非常にもったいない。
企業に属している人こそ、積極的に参加してほしいものである。

最後に、現在なんらかのコミュニティに参加している人は一回考えてみてほしい。
そのコミュニティは自分に「利益」を与えてくれているであろうか。

もしそれがないのであれば、その活動から離れてみるといい。意外とどーでも良いものかもしれない。
もし大いに「利益」を享受できているのであれば、積極的にコントリビュート(貢献)してみると、もしかしたら新しい価値を生み出すことができるかもしれない。それが自分の人生を変えるかもしれない。

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この記事を書いた人

主にWordPressでの開発やサーバーの構築や管理なんかをやっているWordPressのプロ・専門家。
静岡 WordPress Meetup 共同オーガナイザーなどWordPressコミュニティにも参加中。

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