WordPressを使う人が増えていますが、サーバ選びどうしてますか?
特に考えずに安いとこでいいやとか、お金かけたくないから無料でいいやなんて思っていませんか?
フォーラムでバックアップな話が出ていたので、
なんてことを思ったわけです。
自分の趣味でやってるブログなら別にデータが飛んでも自分がショックを受けるだけでどうってことないですが、ブログで収入を得ている人や、WEB制作会社の人はデータが飛んだら一大事ですよね。
自分の不注意でも、サーバー側の障害や人災でも、データが飛んでしまう可能性はゼロではありません。バックアップを定期的に取ることは絶対ですが、サーバー選びも考えたほうがいいでしょう。
というわけで、簡単ですが次のページからサーバーを選ぶ基準をば。
1.最新バージョンのWordPressが利用できるか
2013/08/07現在で、最新バージョンのWordPressは3.6です。3.6の動作環境は
- PHP バージョン 5.2.4 以上
- MySQL バージョン 5.0 以上
となっています。
レンタルサーバーのスペックを見て上記の環境にマッチしているかをチェックしましょう。
WordPressはセキュリティの関係上、常に最新版に保つべきです。Ver.3.5.1以前ではクロスサイトスクリプティングの脆弱性が発見されています。
最新版では脆弱性に対する対応がなされており、既知のバグに対しても対応がなされています。
最新版を利用できないサーバは「使うな危険」です。
どうしてもそのサーバでなければならない理由があるのなら、WordPressの利用を諦めてください。
2.セキュアな通信ができるか
一般的にサーバにファイルをアップロードする際に使うFTPですが、これはセキュリティ的によろしくありません。
FTPは通信が暗号化されていないため、そこからユーザ名やパスワードが漏れ、サーバをいいように使われてしまう可能性があります。
昔は普通に使われていて今でもFTPのままという会社もありますが、危険極まりないのでセキュアなものに変更しましょう。
で、何を選べばいいのかというと、FTPSやSFTPが利用できるサーバーです。
FTPSもSFTPも通信を暗号化してくれるため、セキュアな通信を実現出来ます。
ちなみに、
FTPS:FTPをベースに通信をSSL/TLSで暗号化したもの。
SFTP:SSHを利用してファイルの送受信を行う。SSHベースなのでもちろん暗号化されている。
これも絶対条件です。通常のFTPしか使えないサーバも「使うな危険」ですよ。
3.サイトの目的で考える
WordPressを利用するといっても、自分用のブログを書くのか、がっつりブログで収入を得るのか、企業のWEBサイトを作るのか、WEBサービスを展開するのか、目的は様々。予想されるPVや訪問数が変わってくるので、欲しいサーバのスペックも変わってくるかと思います。
訪問数が少ないと予想されるような場合
自分のブログやWEBからの集客を目的としない企業のWEBサイト(もったいない!!)などサイトを作っても大したアクセスが無いと予想される場合があります。
そんな場合ならレンタルサーバの安いプランでも問題ないでしょう。記事が増えてくると重く感じるかもしれませんが。そのへんは安いので我慢ですね。
ただ、この場合凝ったサイトを作ったりすると重くてサイトとして機能しなかったり、突然アクセスが増えた場合にサイトに入れなくなるという事態が起こります。個人のブログなら構いませんが、企業のサイトだと問題なのであまりおすすめはしません。
最初は訪問数が少ないが後から増えるだろうと予想されるような場合
ブログで収入を得るためにWordPressを使おうという人はこれに該当するかと思います。
開設したばかりのブログは記事も少なくアクセスもそんなに伸びません。すぐにでもアクセスが伸びるキラーコンテンツがあれば違いますが、多くの場合そこまでのコンテンツは無いでしょう。
こんな時は、最初のうちだけ安価なレンタルサーバで運用し、ある程度の訪問者数や収入が確保できたらクラウド系のサービスに乗り換えるといいでしょう。
クラウド系のサービスもいろいろありますが、簡単スケールアップができるものがおすすめです。
最初から訪問数が多いと予想される場合
WEBからガンガン集客しようとする企業のサイトやWEBサービスなど、サイト開設当初からそれなりのアクセスが見込めるという場合は、レンタルサーバの共有プランは使わないほうが賢明です。
WordBenchしずおかのWelcartのセッションでも南部さんがおっしゃっていましたが、安価なレンタルサーバを使うと同時処理可能数が極めて少なくなってしまい、エラーが出るためECサイトの運営に支障をきたしてしまいます。
そんなとこでケチって客を失うなら、きっちりお金をかけて運用することを考えてください。
こんな場合におすすめなのは、スケールアップ可能なクラウド系のサービスやVPSです。できればNginxが使えるといいかもしれません。
スケールアップ可能なクラウド系のサービスなら、アクセスが増えてきたらスペックを上げることができ比較的管理が楽です。その分コストが掛かったりしますが、必要経費と考えてください。
VPSはサーバの構成も自由に変更可能です。しかし、設定~管理までサーバの知識が必要不可欠であり敷居が高いかもしれません。その分サーバ自体にかかる費用は安く抑えることができます。
圧倒的な訪問数がある場合
こんな場合は、専用サーバー使いましょう。管理も専門家に任せるのが賢明です。
ここまで大規模な場合だと、データセンターを自社で管理したほうがいい気もしますが。それができるところばかりではないというのが現状かと思います。
ここはケチらずしっかりとしたインフラを整えるのが望ましいです。処理が重くなって利用者がストレスを感じると、サービスの利用をやめてしまうでしょう。
意外とここにお金をかけられない会社が多いようで、「重くてやってらんねぇ」とか「またエラーかよ」みたいな発言がネットにごろごろしています。ランニングコストを抑えたい気持ちも非常にわかりますが、それで客を失っては本末転倒ですよ。
4.コストとかサポートとか評判とか
レンタルサーバーの会社いっぱいありますよね。同じようなサービス内容でも価格が全然違ったり。
高ければいいというものでもなく、安ければそれなりだったりします。
そうなってくると評判やサポートの信頼性になってくるのですが、ネット上にもいろんな情報が落ちています。これを鵜呑みにするのはいかがなものかと思いますが、参考程度に抑えておくといいでしょう。
一番なのは信頼出来る技術者からの生の意見です。自分に近い技術レベルで利用できるサーバーを教えてもらうといいでしょう。
可能なら、サーバーに関してお仕事として任せてしまってもいいかもしれませんね。
この業界は、比較的新しい業界なので技術者同士の横のつながりが作りやすい環境だと思います。是非、WordPressのコミュニティに参加して横のつながりを作り、生きたアドバイスを受けてみましょう。
最後に
具体的な会社の名前は出さずに選び方の基準だけを紹介しましたが、「自分の場合はどうなの」「よくわからん」という人も多いかと思います。
そんな時は、上にも書いたとおり誰かに聞きましょう。WordPressのイベントに行けば詳しい人がそれなりにいると思います。WordCampTokyoには専門家の人もいっぱい来るでしょう。
そういう機会を狙ってうまく利用して、役立ててみてください。
私に相談していただいてもいいですよ