各所で非難を浴びまくっている『なぜイマドキ新入社員は定時で即帰ってしまうのか』という記事。
この記事の問題点は記事の内容よりも、この記事をビジネスメディアが発信してしまったことにあるんじゃないかなと思います。
http://diamond.jp/articles/-/98421
記事の問題点
まず、記事の内容ですが要約すると「会社がホームじゃないから帰っちゃうんだよ」というもの。
そもそも、残業は仕事の状況をみて上司が指示・許可するものであって、新入社員が「これも必要だと思って」というような理由で出来るもんではないのですよ。
これは、会社がホームとかアウェイとかそういう次元の話ではなく、会社という組織の正常な仕組みがそうなっているからです。
しかもこれ、サービス残業前提の話ですよね。普通に考えたら残業されてしまうとそれだけ人件費がかかるのですから、必要だからといって新入社員の判断で簡単に残業させるようなことはできないわけです。
残業という行為自体は悪いことではありませんが、サービス残業は悪いことだと認識すべきです。
新人を非難するようなイメージを記事から感じますが、これもおかしい。
問題なのは、「ノー残業デーに残業している人」や「形式上だけタイムカードなどを定時に打ち、残業している人」であって、その人たちを非難すべきなのです。
記事内にもありますが、こういう人がいるせいで新人は仕事に対していいイメージを抱けないのですから、こういう人を駆逐して残業に対して悪いイメージを与えないことが重要なのにそこを非難しない。
居場所とか言う問題では無いのですよ。
悪いイメージしか湧かない職場で「責任ある仕事」を任されたら、それこそストレスマッハですよ。それで精神潰れた人の経験談ですけどね。
で、ブラック企業だと言われるわけです。もうなんかアホとしか言いようが無いですね。
メディアの問題点
メディアがこれを発信してしまうことで、自分を肯定してしまう人が出てくるわけです。そういう人は「自分は悪くない新人が悪いんだ」という発想になるわけです。
記事内には直接的にサービス残業を推奨するようなことは書いてありませんが、そうとらえる人がいてもおかしくはないですね。
メディアとしてこれはいけませんね。記事なんていうものは垂れ流しで、これを真に受けた人がどういう行動をとったとしても、無責任なわけです。
そういう状況であるからこそ、法令を順守したうえで成長を促せるように意識を持っていくほうが健全なわけです。
まぁ話題になればいいというのもメディアの側面ではあるのですが、これでは「炎上商法」といわれても仕方ないわけで、メディアの質を著しく下げる行為になるわけです。
実際、一介の社会人である私はこのメディアとこの記事を書いた人の信用はガタ落ちですし、同世代でも同じように感じる人も少なくはないでしょう。
まとめ
『アットホームな職場です』が地雷と言われるのはこういう考えが肯定されているからにほかならないわけです。
残念ですが、企業側には受けがいいのかもしれません。とはいえ、こんなことを続けていたら会社に未来はないですし、これが当たり前に行われている日本にも未来はないわけです。
まさに『日本の闇』ですね。
日本の経営者はこれを否とし、はやくこの闇を払えるようになってほしいものです。
それがない限り、日本の経済成長は望めないかもしれません。
まぁお金貰えない残業よりも、家でゲームしてたほうがいいっすもん。